旧王国の国王直属だった精鋭部隊。元々はこの地で信じられているテレジーナ聖教※1の聖堂に仕える騎士団であったことでこの名前になっているが、1,534年にリーダーだったクローヴィス・ハルドポリが反乱を起こし、玉座に着いて以降（クローヴィス・ジェトール1世、ハルドポリ王朝）は教会騎士団ではなく王国騎士団となっており、単にその呼称として使われている。そのため、この王朝交代劇によって旧王国における教会の影響力が益したわけではない。そして、ハルドポリ王朝において教会騎士団は、公式には存在しなかった※2。
任命・罷免は時の国王の一存であり、国王がそう欲すれば本人に一切その気がなくても任免が可能である。国王の意志のみに依存するため、本人が引退を宣言しても、死亡しても、公式な地位はそのままとなる。死亡によって変わるのは俸給が支払われなくなることだけである。ただし実戦本位という性格から、基本的にはメンバーや有力者の推挙があれば、そして王国への悪い噂がなければ、国王はそのまま任じることが多かった。対してリーダー、サブリーダーは、国王の意向が出やすかった。この2つの役職については、数名の僧侶を除くとすべて武器を手にする戦士であり、魔術師を含むそれ以外の職業の者が就いたことはない。定員はなく、人数はその時々で変化する。1,490年代の最盛期には50名を越えたこともあり、逆に最も少なかった時期には10名に満たなかったこともある。リーダーは常に1名だがサブリーダーは複数名であり得る。
以下は旧王国が滅亡した1,613年当時のメンバーであり、最後のメンバーということになる。このメンバーが歴代最強だったかは観点や評価者によるとしても、グルマイン・ドラムストス、パレスレステナト・ファミリアルをはじめ粒揃いであったことは確かである。大半がシャルルカの大破壊あるいはその後の対人戦闘で死亡しているが、そのうちの6名が瓦礫の中で突然復活した。それまでどのように遺体が維持されていたのか、どのような力で復活したのかは知られておらず、本人たちにも判っていない。こうした復活者、そして運良く存命だった者は、現在ではテンプルナイツという名では活動しておらず、所属もばらばらである。復活しなかった5名は、その後遺体が回収され、シャルルカ郊外に埋葬されている。おそらく今後も復活することはない。
| No. | 名前 | 種族 | 役職他 | 加入 | 生死 | 現主君 | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | グルマイン・ドラムストス | 人間 | 戦士、リーダー | 1,590 | 死亡 | - | シャルルカで戦死 |
| 2 | パレスレステナト・ファミリアル | 人間 | 僧侶、サブリーダー | 1,607 | 生存 | セネカ・ジェトール | シャルルカで戦死したが復活 |
| 3 | トリアート・アメルフィーグ | アルフ | 魔法戦士 | 1,578 | 生存 | ルンガ・デバル | シャルルカで戦死したが復活 |
| 4 | グロームス・ガルシス | ドワーフ | 戦士 | 1,590 | 死亡 | - | シャルルカで戦死 |
| 5 | シルドン・クレイバー | 人間 | 魔術師 | 1,594 | 生存 | - | シャルルカ戦時は国外、帰還せず大陸を放浪 |
| 6 | オルソン・ガリハック | 人間 | 戦士 | 1,596 | 生存 | マデイラ・レアルド | シャルルカで戦死したが復活 |
| 7 | カイ・ガリハック | 人間 | 魔術師 | 1,596 | 生存 | マデイラ・レアルド | シャルルカで戦死したが復活 |
| 8 | ムルーク・カルカット | 人間 | 僧侶 | 1,596 | 死亡 | - | シャルルカで戦死 |
| 9 | オリヴァー・カミングス | 人間 | 戦士 | 1,598 | 死亡 | - | シャルルカで戦死 |
| 10 | バラランド・メルイス | 人間 | 魔術師、参謀 | 1,599 | 死亡 | - | シャルルカで戦死 |
| 11 | フォーマル・クルーストリ | 人間 | 戦士 | 1,599 | 生存 | ハリステレス | シャルルカで戦死したが復活 |
| 12 | アリューク・エッセンドルト | 人間 | 僧侶 | 1,600 | 生存 | ルンガ・デバル | シャルルカで戦死したが復活 |
| 13 | アンティ・ルーラン | 人間 | 魔術師 | 1,601 | 生存 | - | 戦死を免れ、ティロンス森内に居を構える |
| 14 | シルヴェーヌ・シルヴァプラナ | アルフ | 魔術師 | 1,602 | 生存 | - | シャルルカ戦時は不在、故郷ヨーダ森に帰還 |
| 15 | セルドア・アルジーヴァ | 人間 | 盗賊 | 1,603 | 生存 | マドラム・カバス | 戦死を免れ、国外脱出してアルセンに仕官 |
番号は便宜上のもので、加入した順番。リーダー、サブリーダーを除けば序列はない。過去のテンプルナイツとしては、上記の他にグルマインを誘ったコスタス・エリティスが設定されている。
| 期間 | リーダー | サブリーダー | ||
|---|---|---|---|---|
| 〜 | 1,530 | (未決) | (未決) | |
| 1,530 | 〜 | 1,534 | クローヴィス・ハルドポリ | (未決) |
| 1,534 | 〜 | 未決 | (未決) | (未決) |
| 未決 | 〜 | 1,600 | (未決) | ラオメドーン・エプト |
| 1,600 | 〜 | 1,609 | ラオメドーン・エプト | グルマイン・ドラムストス |
| 1,609 | (空席) | グルマイン・ドラムストス、パレスレステナト・ファミリアル※3 | ||
| 1,609 | 〜 | 1,613 | グルマイン・ドラムストス | パレスレステナト・ファミリアル |
※1 ホーメルトのテレジナスアート、現在のフェルナンド帝国ドルドムラ管区が本流であり、こちらは支流。魔術の否定を含む大部分の教義はそのまま受け継がれている。
※2 王朝交代の後、テンプルナイツを実戦本位の集団とするため、クローヴィスは「テレジーナ教徒であること」「魔術を否定すること」という騎士の資格要件を削除した。異教徒を登用し、魔術を用いるようになったテンプルナイツに対して教会が怒りを表したのは最初の数年だけで、すぐにその存在自体を否定するようになった。テンプルナイツが非公式にも教会内で力を持ち得なかった理由でもある。
※3 ラオメドーンが引退を命じられた直後のおよそ半日のみ。