シヴィルスクはオージャス大陸の本領北西部に広がる大森林であり、シヴィルスクアルフ（シヴィリアン）の住まう土地である。北はノルアート山脈、南はハーランド山脈、西はヤンガス山脈であり、基本的には北東のノルアート州都ノル・マシュからの街道で入る。シヴィルスクタウンはクロノワ湖から少し河を遡ったところに建設された街で、シヴィルスクアルフが唯一外部に開放している場所である。帝国シヴィルスク州の州都として、また人間とアルフ、その他種族の交易の場として機能している。定住する者はおよそ23,000である。
ただ、シヴィルスクタウンの街区には特定のシヴィルスクアルフしか姿を現さない。氏族長を含む大半のシヴィルスクアルフは森の深いところにある各氏族の街、あるいは各街をつなぐ樹上の通路におり、シヴィルスクタウンに姿を現すことはめったにない。このため、人間やドワーフだけでなく、他の森のアルフたちにとってさえ、シヴィルスクアルフの総数は不明である。
森には6つの氏族が暮らしており、それらのデータは以下のとおり。
| 氏族 | 氏族長 | 人数 |
|---|---|---|
| エリアザル | セグリール | 300 |
| ブラーンシュ | ダム | 280 |
| ダルマティク | アブラクサ | 220 |
| ガーメ | クルワ・ガーメ | 190 |
| エクレール | デペリール | 160 |
| カーメル | ジロー | 120 |
この中で一番力が強く尊敬されているのはブラーンシュ氏族の長ダムである。彼女は現代における白の妖精王（空風の妖精王）でもあり（妖精王参照）、他の2人の妖精王と思念のみで会話することができる。ある意味で女王とも言えるが、シヴィルスクでは特定の氏族に森全体の方針を決定する権限を与えておらず、あくまで6氏族が併存している体を採っている。
また氏族長とは別に年長者たち、いわゆる長老が存在している。長老は基本的に氏族長の補佐、氏族全体の世話役と位置付けられているものの、しばしば氏族長の方針に反対する。
総じて閉鎖的で、外部の者をあまり信用しない。自分からあえて敵対することはないにせよ、はっきりと外部の者を見下している者もいる。
シヴィルスクアルフの始祖が、はるか昔北方に存在したセレドリム王国の者たちであることは他の森と同じである。ただ、魔力に満ちた古く深い森に閉じこもっていたため、創始の大白妖精の特殊な形質が多く残っている点が異なる。その形質の一つが寿命である。一生を森の中で過ごすという条件付きではあるが、およそ1,000年生きる。1,500年生きた者もいる。森から出ている間はこの形質が徐々に失われて行くが、例えば100歳前後まで森の中にいれば、その後ずっと外で過ごしても600歳程度まで生きることができる。
また、通常の死すべき者にはない、畏怖をもたらすオーラを帯びている。シヴィルスクアルフを目にした者は、そのオーラにより麻痺してしまい、影響は対象のアルフが視界にいる間継続する。視界から消えれば麻痺は解けるが、再び目に入ると同様に麻痺する可能性がある。一切の訓練を受けていない者は確実に麻痺し、それなりの経験を積んだ人物であれば、オーラを知覚しつつ麻痺に陥ることはない。アンデッドや魔法的生物、他の界の生物、知性のない生物、イモータルはこの影響を受けない。
| レベル | 修正値 |
|---|---|
| NM | 余地なし |
| 1〜3 | -2 |
| 4〜14 | -1 |
| 15〜25 | 0 |
| 26〜 | 影響なし |
人間は多少麻痺の確率が高く、逆にアルフは低くなる。
| 種族 | 修正値 |
|---|---|
| 人間 | -1 |
| アルフ | +1 |
| ドワーフ | 0 |
| ハーフリング | 0 |
| リアノ | 0 |
対象のアルフが氏族長または長老の場合、さらに麻痺の可能性が高くなるが、経験を積んだ人物であれば麻痺しなくなるのは同様である。
この効果はシヴィルスク森自体の魔力を借りて成されるものであるため、森の外縁から2マイル以上離れた場所では適用されない。エトワールを含むシヴィルスク森以外で過ごしたアルフは、森から出ていた1年ごと（切り上げ）に1日、森の中で過ごせば能力が戻る（森の外で生まれたものを含む）。
ダム・ブラーンシュのオーラが相手に与える影響はさらに強い。多少の訓練を受けていたとしても100%麻痺してしまうし、どれほど経験を積んでいたとしてもその力を無効化することはない。さらにこれは森の外縁から8マイル程度維持される（ただし、彼女が森を離れることはまず考えられない）。
| 回数 | レベル・備考 | |
|---|---|---|
| 1回目 | レベルによらず、1d20で1〜3の場合 | |
| 2回目 | NM〜3 | 余地なし |
| 4〜14 | -6 | |
| 15〜25 | -5 | |
| 26〜36 | -4 | |
| イモータル・イニシエイト | -1 | |
| 3回目〜※ | 1d20+ウィズダム修正が1〜16の場合 | |
ダムが相手を麻痺させようと視線を向けた場合、この確率はさらに上昇する。
一旦畏怖を免れれば、1年の間同一のシヴィルスクアルフに対して麻痺することはない。また、エトワールアルフを含むシヴィルスクアルフが、シヴィルスクアルフに畏怖を感じることはない。
シヴィルスクアルフの持つ魔力は、同程度の年齢や経験を持つ他の森のアルフたちと比較してもはるかに高い。森の中にいると森そのものの魔力を用いることができ、さらにそれが顕著になる。
シヴィルスクアルフの数ははるか昔からそれほど変わっておらず、それはこうしたさまざまな太古の形質によるものである。
シヴィルスクアルフの配偶者は、シヴィルスクアルフに限定される。森の外の者と結ばれることを望む者は、森を去らねばならない。
ブラーンシュクランにあるダム・ブラーンシュの部屋には、イモータルによって作られた魔導門が常に口を開けている。ダムのみが通行を許可されている。この門は実際には星界へ続いているが、星界の出口と別の門の入り口がぴったりと隣接してているため、通常二つの門を通ったことに気付かない。
第二の門は、そのままイモータルの居留する外方界へと続いている。ダムはここで、イモータルに伺いを立てることができる。