エルヴァート国際会議

1,622年8月9日、ジアザー・テレビジョン元皇帝の発案により、国際会議が発足する。同12日、35才の若手政治家、ジェローム・ル・ミュラが、初代議長に選ばれる。議長職の任期は未定だが、1,630年の総会で退任が発表された。現在後任は未定。

国際会議の活動は、国家をまたいだ諸問題に関する討議や働きかけである。解決を目的とはしておらず、問題の発生そのものを未然に抑止することもない。「交戦協定」という宣言によって戦争開始前の手続きについて規定はしても、戦争を否定はせず、また解決手段も提供しない（国際会議軍のような組織は存在しない^※）。あくまで当事国間で、そして他国と意見を戦わせる場を提供するだけである。

アマリシア総本部には、各国からの大使が数名ずつ常駐している。大使には個々に宿舎が割り当てられる。毎年1月4日に開かれる総会はすべての国の首脳による対面会議が求められているが、大使を全権委任とすることも可能であり、また通信魔術を用いた言わばオンライン開催も可能。基本的には顔合わせであり、議題提出がなければ1日で終わる。翌年の開催都市はこの会議の最後に決定される。

これとは別に、なんらかの議題が参加国からもたらされ次第開催される臨時会議があり、このときはまず大使によって場所と日時が決定され、本国に通達される。そのまま大使が出席する場合が多い。ウイレヌのように自国で移動魔術を確保できない場合は、その年の総会開催国に属する魔術師によって送迎が行われる。

開催国はあらゆる手段を使って各国首脳の身の安全を図る。幸いこれまでのところ危険が迫ったことはない。ただし、1,630年のアルファ総会はイモータルの破砕日翌日となったことで各国の混乱が大きく、スレイマやロシェールのように参加を見送った国もいくつかある。

※ ただしアマリス帝国の「国際会議に基づく特別派遣軍」のような特別な組織を配置している例はある。

1,630年現在の参加国一覧（表エルヴァートの大多数の国である）

アマリス帝国（Empire of Amaris）
アナーティア王国（Kingdom of Anertia）
アルセン王国（Kingdom of Althen）
アルファ人民共和国（People's republic of Alpha）
ウイレヌ汗国（Khanate of Uirenu）
エストール自由都市（Free city of Estor）
エルスルム王国（Kingdom of Elthroom）
キュート国（State of Cuet）
クルート連邦（Crute Federal）
ケルマド教国（Holy Celmadd）
コリント王国（Kingdom of Colint）
スレイマ魔王国（Sorcery kingdom of Slaima）
スニルナ連合（Union of Snilna）
ド・トゥ教国（Matriarchy of D-tho）
バラカンス王国（Kingdom of Ballakance）
ファームズ帝国（Empire of Farmes）
フェルナンド帝国（Empire of Fernand）
ミラード帝国（Empire of Milard）
モールド王国（Kingdom of Moald）
ライトネア連合王国（United Kingdoms of Lightnare）
ラムサダス帝国（Empire of Ramthadas）
ロシェール王国（Kingdom of Rosher）
ローラン王国（Kingdom of Rolan）

国際会議発足前の第一次交戦協定（1,613）に調印した国で、現在残っていないもの

アイオリス帝国（Empire of Aioris）
アルカレティアス王国（Kingdom of Alcaretius）
コルコランド共和国（Republic of Corcholand）
挲坏瀝帝国（Empire of Sā huài lì）
サーマイト王国（Kingdom of Sermyte）
シリア首長国（Sheikdom of Syria）
シルサンナ王国（Kingdom of Silsanna）
ドバヌール王国（Kingdom of Dovanool）
ハンス国（Sultanate of Hans）
馬具笊ギルド帝国（Empire of Maxal Guilds）
リリュー帝国（Empire of LiRue）（国王ハイゼル13世はバラカンスに亡命中）

注）ジアザー帝国（Empire of TheOther）は現在のアマリス帝国（Empire of Amaris)　（1,629〜）

注）フェルナンド王国（Kingdom of Fernand）は現在のフェルナンド帝国（Empire of Fernand）　（1,615〜）

現在までの主な活動

1,622年	8月	9日	発足。総本部をジアザー帝国の首都アマリシアに置く。
	8月	12日	ジェローム・ル・ミュラが初代議長として選出。
	9月	4日	クルートが加盟。
	9月	30日	フェルナンドとエルスルムのミストフェアルカ島事件の調停。双方和解。
1,623年	1月	4日	初会合。アマリシア総会開催
1,624年	1月	4日	バレラス総会開催。
	8月	11日	常任理事国選出。フェルナンド、ライトネア、ラムサダス、ジアザーの4国。
1,625年	1月	4日	ルートクロス総会開催。国際天文会議、国際暦法委員会、世界教育科学国際基金、世界考古学研究会、世界美術保存会、世界歴史研究会等を国際会議の下部組織とすることを決定。
	12月	14日	スニルナ対立問題討議。
1,626年	1月	4日	総会開催。
〜	6月 7月	25日 8日	新海暖流の高温化と、その原因とみられる新海海盆の異常隆起について討議。「とりあえず、様子をみるほかない」というラムサダス皇帝の言により閉会。
	11月	15日	ラムサダス皇帝によるスニルナ「保護地域」化問題。ラムサダス皇帝の「内政干渉をするつもりはない」との言により一応の解決。
1,627年	1月	4日	総会開催。
	4月	2日	ドバヌールの’虹の島々’領有問題を討議。
	5月		「領土および領有宣言に関する協定」（領有要項）採択。
	6月	22日	世界歴史研究会が「エルヴァート史」の編纂を決定。
	10月〜	16日 19日	ドバヌールによるシリア湾艦隊派遣。それに伴うシリア首長国の臨戦体勢（シリア湾危機）について討議。ドバヌール王の撤退宣言により閉会。
	11月	20日	「第二次交戦協定」可決。すべての参加国による調印。
1,628年	1月	4日	フリンキア総会開催。
1,629年	1月	4日	総会開催
	4月	20日	ミラード・クルート戦争、国際会議の働きかけで停戦合意。
	5月		ミラードが加盟。
	6月	1日	スニルナが加盟。
	7月	1日	ジアザー帝国の巨大モンスター出現による緊急会議。
	7月	5日	ドバヌール、ジアザー、フェルナンド、ラムサダスの首脳、元首脳の謎の失踪と、フェルナンドによる交戦協定違反による緊急会議。それぞれの思惑が絡み、効果はまったくなかった。
	10月	20日	ジアザー2世の呼び掛けで対フェルナンド会議開催（アマリシア）。
1,630年	1月	4日	アルファ総会開催。この席で、コリントはフェルナンドとの通商条約の締結受諾を発表。同、ミュラ議長の退任を発表。