国家としてのホーストヘルンについては、国家別資料を参照のこと。ここでは全体的な土地利用などについて記す。
グレートアイスの南から、グレートアイス北西にいたる超大国であるホーストヘルンは、当然のことながらさまざまな民族と気候を内包している。なお、王国領土はグレートクリフと呼ばれる巨大な崖によって断絶されている。グレートクリフは西のヘディン海（ゼルヴィス王国をはさんだ西側ではバルン海）から、フリージングベイに至るまで蛇行しながら続いている。
グレートアイスから王国領土、たとえばバリアル王国群を眺めると、およそ100m下になる。ファームズ帝国はこのうち、マザド7王国北西テリオンにあるエレベータを使用している。これはもともとマザドの人々が、その北西にあるリナリ湖（サナリナ湖）で水をとったり、漁をしたりするために作ったものである。サナリナ湖はグレートアイスの直中にありながらも凍らず、豊富な魚類を育んでいる「奇蹟(リナ)の湖(リ)」である。
フリージングベイはエルヴァート最大の湖であるグレートミラーの北方を扼し、東のマウリア王国に隣接するメルガス帝国の北方にある湾であり、東に進んでシャイアン洋に至る。名の通り凍った湾である。ただしグレートアイスのように氷の大陸ができているわけではなく、砕氷船であれば氷を砕いて進むことができる。最奥、キルクラクト帝国の北、バリアルの東は人の住まぬ土地であり、「暗黒の領域」として恐れられる土地である。キルクラクトやバリアルとはカゼンタイル山脈によって仕切られている。
しかし、この土地の岸辺に、レインボーフィヨルドと呼ばれる小国家が存在する。小さな都は建物がすべて水晶でできており、クリスタルベイと呼ばれている。一説には「暗黒の領域」方向の地下に巨大な洞窟があって、クリスタルベイはその入り口に過ぎず、人々はこの洞窟の中を魔術によって煌煌と照らして生活しているとされる。