穂高森のドルイド

穂高森北部にいるドルイドは他の地域のものと大きく異なり、「修験者」という特殊な職業である。大きく4つの集団に分かれ、以下の順に格付けされている。「修験四門」と呼ばれる。

• 月咲ノ門
• 玉城ノ門
• 薬師ノ門
• 大井ノ門

それぞれ基本的には一族だが、力を示せば上位の家に取り立てられることもある。力が発現しないうちは門の名を名乗ることは許されず、特段苦役を課されたりすることはないが歳を取るごとに無言の重圧にさらされる。これは最上位の月咲ノ門の出であっても例外ではなく、むしろ格が高い分重圧は大きくなる。成人後もなお顕現しなかった者は、ほとんどの場合自殺したり一族を捨ててあてどない放浪の旅に出たりしている。

沙耶佳（右）は最上位、月咲ノ門に生まれた完璧な修験者の姫。美しく長い黒髪、凛とした立ち居振る舞いと卓越した技を持ち、若干18歳にして先代である父から森長の位を譲り受けた。桔梗の属する大井ノ門は、修験者の中で一番格下である。桔梗はまだ修験者に成り立てで失敗も多く落ち着きもないが、薬師ノ門に取り立てられる可能性を秘めている。

婚姻は一族内でしか行われないため、異なる格の門の人間同士が結ばれるためには下位の者が努力して格を上げるしかない（あるいは二人とも修験の道を諦め、一族を抜けるか）。修験の門でない者が修験の道を志す場合、常に大井ノ門に加わることになる。素行や実力の評価は不定期に、それとなく行われており、すぐに上位に移るよう命じられることもある。過去にはホダカへ来て5年で月咲ノ門になった者もいる。

「穂高の修験者」と呼ばれているが、常に森の中にいるわけではない。家族が住む家があるだけである。基本的には、北西ドール山脈中にある修行堂が彼らの逗留場所であり、雪が山々を閉ざしてしまう期間だけ、森の家で過ごす。修行堂は門ごとに存在し、格の高い門ほど急所に建てられている。彼らはここをベースキャンプとして、山中の様々な場所で修行を行う。結袈裟は帯の部分の色で修行の位階を表している（現実の山伏のように、梵天の色ではない）。鈴懸はグレーのみ。家によって濃淡はあるが、どの家でも他の色を使うことはない。手甲は全員が白で長のみ黒染めしたものを着ける。

穂高の修験者は、本名とは別に修験名を持つ。これは以下のような付け方をしている。

　(色)(動きを示す文字)(位階を示す文字)使

このうち位階は以下のようになる。レベルはD&Dルールに基づいたもの。

家格と実力には相関関係があるが、必ずしも一致しない。ただ平均的な昇格のスピードと、周囲から求められる高みが異なるだけである。上位に取り立てられなければ大井ノ門のまま大使になることもあり、月咲ノ門の子もまた最初は小使である。天使を名乗れるのは長あるいは引退した長だけであり、かつ長は通常月咲ノ門の者が就く。玉城ノ門の者が就いたこともあるが、月咲ノ門への移籍と順序が逆になっただけである。格が落ちることはない。長は基本的に天使だが、現在の沙耶佳のように大使が継ぐこともある。