旧D&D®の公式設定での古き者の情報は以下である。
設定は改訂版を優先すべきであるため、最終的には＜古き者＞への昇格に関する確かな設定はないと考えている。
エルヴァートでは以下のような断片的な設定を考えている。フル教主として十分に経験を積んだイモータルの元（本界）に、ある日突然＜古き者＞が来訪する。＜古き者＞はイモータルに＜古き者＞への昇格準備が調いつつあることを告げる。そして、今後何をして待てば良いかを説明するとともに、もはやイモータルの力を維持するのに信者を必要としないことをも告げる。それを説明し終えると、＜古き者＞はいったんイモータルの元を去る。このとき＜古き者＞はイモータルから邂逅の記憶を削除するが、それ以外の記憶は残っているのでイモータルは身辺整理を始める。自ら信者を根絶やしにするべく、モータルに働きかける者もいる。
さらにイモータルがとくに（＜古き者＞にとっての）問題を起こさずに一定の期間が過ぎると、＜古き者＞はイモータルを再訪して「その姿を脱ぎ捨てる時が来た」と告げる。そして、イモータルは自身がイモータルとなった時のように、あるいはこれまでモータルを昇格させるときにそうして来たように、＜古き者＞によってその顕現形態から真体をくり抜かれる。顕現形態は風に流される砂のように消えてゆく。そして＜古き者＞はイモータルを多元宇宙の彼方（異なる次元）へと誘う。
同時にこのとき、現存するすべてのイモータルからはそのイモータルの記憶が削除される。そんな存在など、最初からなかったかのように。ただしモータルにとってはその限りではない。その時点で残っているモータルの信者は、もはやいくら祈っても神から何の反応もなく、何の力も得られないことに気づく。彼/彼女はその状態のまま戦い続けるか、他の神に改宗するかを選択することになる。時が過ぎ、モータルの間でもその神の存在は単なる伝承になる。
つまり、二度のイモータリティ獲得は必要ではない。
ミスタラは異なる多元宇宙次元に属し、その間には次元の障壁が存在するため、イモータルの力でも直接行き来することはできない（可能だが、次元障壁の彼方に別の多元宇宙が存在することを知らないし、一般的な方法では知覚できない）。ある多元宇宙の再辺境界と、別の多元宇宙の再辺境界を行き来する・させることができるのは基本的に＜古き者＞の力だけである。イモータルはこれらの世界を行き来した者がいることに気づいているが、ほとんどの者は深奥にある未探索の外方界のひとつからであろうと考えている。
＜古き者＞は、次元空間のどこにでも、イモータルやモータルに一切知覚されることなく移動し、存在することができる。イモータル同様、空気も食糧も必要とせず、寿命もなく、イモータル級以下の魔法や毒にも影響はないため、（他の＜古き者＞による策略がない限り）どのような空間でも生きられる。また、その絶大な力のため次元空間のどこにでも望む大きさの世界を創り出すことができるが、そうすることは稀である。より高次元の存在となるべく時間をも操るため、自身のいる特定の場所を創り出す必要性すら感じない。モータルから見たイモータルと同様、そう望まない限りイモータルやモータルと顔を合わせることは滅多にない。
＜古き者＞がイモータルを殺した場合、その場所が本界かどうかに関わらず、存在を消滅させることができる。これはイモータルがモータルを殺したときと同様である。＜古き者＞が相手の消滅を望まなければ、イモータルの真体は本界へ戻る。元々本界であれば、単純に蘇生する（回復日数は既定どおり）。
＜古き者＞は＜古き者＞あるいはさらなる上位者によってしか殺せない。ただし＜古き者＞によって殺された＜古き者＞は、真体に受けたダメージの大きさに応じた時間の後、自動的に蘇生する。上位者によって殺された＜古き者＞は、＜古き者＞によって殺されたイモータルと同様である。
イモータルの力の源泉は、基本的にはモータルの信仰心である。モータルの信者の数やその信仰心の高さの総合計によって、イモータルが発揮する力の大きさを左右する。ただし位階を上げてゆくと、徐々に下位のイモータルによる領域への奉仕からも力を得られるようになる。教主はモータルの信仰心を一切必要としない。無駄にはならない程度である（力の総量に占める信仰心の割合は、教主1の87.5%から2.5%ずつ下がり、教主6ではほぼ0%となる）。
＜古き者＞もまた信仰心を必要としない。彼らはイモータルによる奉仕に加え、多元宇宙の深奥にある力（次元間に通底する力）を自らの力として行使することができる。＜古き者＞は、それによってイモータルという存在と隔絶し、教主のイモータルが束になって掛かってもほとんど揺るがせることのできない存在となる。この力は、イモータルでも教主ランクになるとわずかながら利用している（教主は永遠者以下から見て数段上の存在となる）。ただし、それを自覚し、仕組みを理解するのは＜古き者＞へ昇格して後となる。
イモータルと同様、＜古き者＞はどのような姿形を取ることもできる。また不動の個体、ガス体やエーテリアル体も、それらの相互変化も、一切力を使うことはない。完全な無色透明な気体になることも可能である。イモータルであった頃と類似の姿を取る者も多い。
＜古き者＞と同レベルのモンスターも、多数存在する。これらは主に次元の狭間や深奥の外方界に存在し、＜古き者＞以上にイモータルやモータルには関心がない。