概要にあるとおり、シルヴァナルフェンは魔術により肉体を強化したアルフ種である。存在自体が魔法の産物と言って良いが、反面戦闘において魔術を直接用いる者はあまりおらず、魔術によって強化された武器や個人用の大型魔術兵器を用いることが多い。魔術の直接行使は詠唱の不安定さを嫌ったものであり、魔法の矢ひとつでも彼らは必ず物品から射出する。そのうえで、彼らは集団戦闘の戦術を磨いている。個人で動くことが多いホーストヘルンのアルケイナが、彼らを避ける所以である。
彼らは＜イモータルの破砕日＞の影響を免れた数少ない者たちの一つである。ホーストヘルンでさえ例外ではなかったこの破壊的な一日に、彼らは影響を受けていない。
下層民は主に周辺から何らかの迫害を受けたりして、流れ着いた者たちとその子孫である。下層民には国政に携わる被選挙権はないが、選挙権は保証されている。全体的に数が少ないため、組織票とはなり得ない。何れにしても、「下層」と言っても奴隷的な立場ではない。大抵の国では戦闘や肉体労働が下層民の仕事であるが、シルヴァーピークに限って言えば支配層の方がそれらに熱心なのである。これは下層民を差別するシルヴァナルフェンがいないのと同義ではないが、少なくとも表立って見下す態度を取る者は法によって公正に裁かれることが多く、下層民の大半もこの国の政治に大きな不満を持っていない。
支配層と下層民との婚姻も行われている。シルヴァナルフェンが通常の生殖能力を持たないため、しばしば魔術で「補う」ことが行われる他、シルヴァナルフェン同士と同様魔術的に子どもを作ることもある。ただし、彼らの子どもがシルヴァナルフェンになることはなく、常に下層民と同じ種族となる。このことについては継続的な魔術による研究が続いているものの、彼らにとっての主要議題ではないため、熱心に調査されてはいない。