人物

1,583.8.13生, 46歳(見掛け同じ). 身長160cm 体重58kg.

国王

1,614年、混沌戦争において混沌の魔物に殺害された父王ミラガの後を継いで即位した。裏エルヴァートでは混沌戦争の被害は比較的小さく、その中で唯一、支配者が死亡した国がジュンデルである。緑がかったカールする黒髪を肩下まで伸ばしている。同色のひげが口の周りを囲う。彫りの深い目に光る瞳は淡いオレンジ色。精悍な引き締まった肉体を持つ40代半ばの戦士。

1.5mほどもある、刀身が深い紫色になっている巨大な魔法剣を自在に振るう。この剣には知性があり、精神感応によって手にした者と意思の疎通ができるが、特定の指令語を発する者にしか従わない。自ら「レーダー」と名乗っており、使用者にもその名で呼びかけるように伝える。「レーダー」は名前であり、剣の持つ魔法力でもある。使用者（無論、指令語を発した者のみ）が望むあらゆるものを、周囲半径1マイル程度から感知し、使用者に伝える力を持っている。ただし、対象をその場に留め置いたりする力はない。

ヴィリストは第四王子であり、本来であれば王位を継ぐことはなかった。しかし、20歳頃からある国内外で暗躍する秘密組織に所属していた彼は、父王が死んだ空隙に動いた。三人の兄を、組織とレーダーの力ですべて暗殺したのである。そこには慈悲の欠片もなく、ただ自身の目的のために「排除」しただけだった。この非常さにより、彼は一部で「ハルパーン」（この地方における暗黒神オーデルゾーロの名）と呼ばれたこともある。

自らも王子を三人持つ。一番上は28歳になる。ヴィリストは来年にでも退位するつもりであるが、三人のうちいずれも後継者に指名するつもりはない。三人は平等であり、自身と同じように自らの力で他の二人を圧倒して王位に就けば良いと考えている。彼らが国を三分することになっても、それはそれだ、とも。他にいずれも臣下に降嫁している王女が四人いる。

父ミラガの代に、モクレインに至る道を発見して魔術師団を含めて派兵したことがあった。彼らはモクレインを守護する龍によって壊滅させられ、その再建はヴィリストの手に委ねられた。1,622年、父の代のそれと同等あるいはそれを上回る戦力にまで回復することができたが、20年かかっていた。ヴィリストにはモクレイン占領の野望があった。しかし、巨大な竜の対処法を発見できていないため、彼の息子たちに委ねることになりそうである。