人物

1,589.7.2生, 40歳(見掛け同じ). 身長155cm 体重66kg.

セイモン公国の藩王。反イマラの筆頭であり、島嶼群勢力の盟主。とくにガンガーは幼少時より過激で攻撃的な性格で知られている。

黒い髪や浅黒い肌などはこの地方の特徴であるが、彼は派手好きで目立つ色のターバンや衣装を着ることを好む。

彼のイマラ嫌いは父や祖父などと比べてもなお強く苛烈である。王子だった頃から自分こそはイマラからの独立を果たし、真の島嶼群の盟主となることを夢想している。彼は1,618年に即位して依頼、自国の武力を強化する手立てを常に検討している。即位の翌年から着手しているのが、海軍力の強化である。イマラから彼らの元には艦隊を派遣するよりなく、それさえ打ち払えれば独立は担保できる。このため、沖合のビラーイー島に軍港を作り、中央には秘匿しながら艦隊を集めてその数を増やし続けている。

1,586年の併合依頼、セイモンには常に中央から駐留軍が派遣されており、その監視の目は厳しい。ガンガーはその目を欺くため、あえて彼らと衝突を起こしたり、公開している艦隊を半島方面に送って小規模な海戦を発生させたりしている。駐留軍の司令官のうち、この10年ですでに3人がガンガーの計画を嗅ぎつけたために命を落としている。内容はそれぞれ事故、怪物による襲撃、そして毒物の誤飲である。

ただし、こうした苛烈な性格はあくまでイマラを始めとした「陸の」人間に対してである。自分と志を同じくすると考えている島嶼部の者たちには、柔軟な姿勢を見せる。また、仮に公国群に対して外敵による侵略があれば、そのときはイマラと列を同じくして戦う。

1,601.4.4生, 28歳(見掛け同じ). 身長165cm 体重69kg.

大藩王

ハルマヘラでは比較的背が高い方であり、また着痩せして見えるが鍛錬によって全身の筋肉も発達している。短い髪、太い眉毛と瞳、すべて黒く、瞳は強烈な光を放って見る者を射すくめさせる。

31の国家連合を束ねる存在。1,612年に11歳で父ランジートから譲位された。各国家は対外的に公国（principality）と名乗っているが、それぞれの長は王子（prince）ではなく藩王（raja）といい、どちらかと言えば王に近い存在である。その中でも大藩王（maha raja）とされるのが、イマラ公国の藩王であるパチアラ・ススマン・ハルマヘラである。家名を連合国家の国名としていることからも、その強勢が判る。

ハルマヘラの強さには、3つの理由がある。一つは精強な戦士隊を持っていること、次に多数の呪術師と神官（主神たるゼルディアンだけでなく、外国の神に仕える者も含む）を抱えていること、そして公国群にいるすべてのパキダミオンと戦象を所有していることである。例えば戦士だけが強い国はあっても、3つを兼ね備えているのはイマラだけである。

パチアラはそのような家に、1,601年に生まれた。現在の藩王の中では、ワシール公国のジャワティに次いで若い。戦士としての能力はジャワティに何歩か譲るが、将として、為政者としての能力は比較にならない。国内の貧者たちへの施策も熱心に行っている。一方で大変な読書家でもあり、文化人として内外の文物や書籍を多数所持している。

目下の関心事は、南のシトカ王国からの侵略である。それは決して深入りすることなくじわりじわりと国境付近を掠めて村々を襲っているため、なかなか有効な手を打てないでいる。このため継続して戦闘が発生している。

国内としては、西の島嶼群がセイモン公国を中心に独立の気配を見せている。彼らが何らかを企んでいることは分かっているが、その実体までは掴めていない。とはいえ、セイモンがどれほど策を弄そうともイマラを中心とした中央の勢力をしのぐことはないだろうという目算を立てている。