エルヴァートには、いくつかのイモータルの活動拠点が設けられているが、グレイウッドはその中で最大のもの。
雲上王国や海底王国、永世王国が、基本的にはエルヴァートの単一の属性に関心のあるイモータルによる国家であるのに比べ、グレイウッドは中立を至上とする10名前後のイモータルによる共同経営である。一般的にミュンフィル・ザ・ダークはイモータルの代理人とされているが、その正体はイモータル ヴァンディオームその人である。代表的な立場にはあるが全権ではない。
目下の最大の関心ごとは、巨大な混沌勢力であるホーストヘルンの動向である。＜神の帳＞自体が、そもそもはヴァンディオームが建設したいわば超巨大アーティファクトであり、その目的はホーストヘルンを裏エルヴァートから出さないためであった。
しかし、ホーストヘルンはアルケイナという大魔術師団を得て強大になり、敢えて設けていた連絡用の通路を発見してしまった。通路を塞ぐことも検討されたが、直接干渉を避けて最終的には表エルヴァートの諸勢力の抵抗に期待をかけることとなった。なお、表エルヴァートからの客であるミストル、ファームズは完全に想定外だった。
現状ではニアラシェール・イ・カイルハラスが＜愚者＞を止め置いていることである程度安心してはいるが、彼らは神々の特権としてニアラシェールの寿命が終わりつつあることを知っている。仮に＜愚者＞を滅ぼす前にニアラシェールがこの世を去ることになった場合、次なる手としてルーンワールドからティアンナ・マークレットを召喚することを検討しており、それも不首尾に終わる場合は直接干渉するしかないと考えている。何れにしても＜愚者＞は1世紀後には生きていない。その時誰が生き延びているかの違いである。