軍隊

正規軍

フレンダーノには現状正規軍として4,000人規模の部隊が3つ存在している。現状での主な任務は国内の治安維持やモンスター掃討であり、大規模な戦争は50年前のモーレイ王国独立以降発生していない。2代前の国王ルキピウスの元で、コストに見合わぬ正規軍を減らし、傭兵部隊を増やす計画が立ち上がり、前王オクタヴィスの元でも進められていた。しかし、ローザネロの即位後、貴族制廃止の宣言に伴ってこの計画は白紙となった。ローザネロが不平分子への威嚇と実際の攻撃のため、軍を必要としたからである。リーグレはローザネロの再従兄弟にあたり、1,620年の貴族制廃止に先立って任命された。

正規軍の各部隊にはとくに統一された呼称はなく、たとえば「第一師団」などと呼ばれることはない。単純に軍団長の名をもって呼ばれている。

傭兵団

傭兵団はその時その時で駐屯地を転々とするが、基本的には首都バルザーリ周辺に存在している。これは有事の際の即応性を考慮したものでもあり、傭兵団をあまり信用していない現れでもある。

傭兵団は入れ替わりがあるが、ローザネロ即位以降は以下の6部隊に固定されている。ただし、ラティウムとユリアヌスについては隊長の死亡、引退により代替わりはしている。傭兵団のうち5つはほぼズィドラスの人間で構成されているが、ランス・スピールの部隊は表エルヴァート、ミストル王国のマンダナグル社に所属した元軍人の組織で、1,609年の本国滅亡によって故郷を失った者たちである。なお、こうした者たちの多くはミストルにやや遅れて裏エルヴァートに至ったファームズ帝国の現地軍（マンダナグル軍）に組み込まれている。ランスは商売敵だったファームズに仕えるのをよしとしなかった者たちを集め、傭兵団を作った。

なお、ランスは元々ランス・シャンピニョンという名であったが、ズィドラスへ来て「発音しづらい」という理由で「スピニョン」と呼ばれ、いつの間にか「スピール」になってしまった。スピールはミストルやその周辺で「ため息をつく」という意味があり、ランスは以前からため息が多かったため、名が体を表すようになった。