ランリュート

アルフの1氏族であるネリールの都で、世界楯山脈のアック渓谷付近上空60mほどにある。地上と切り離された地にある大きな森である。付近の川から幅3mほどの流れ登る滝が出ており、その水に浸かりながら昇らないとその地を支える透明な壁面に阻まれる（つまり、滝の水流分だけ孔が空いている）。通常の飛行魔術によって途中から滝に入り込むことはできず、また壁面に掛かった魔法により一定高度から上ではどれだけ横移動しても上が開いているように感じられない。

滝は森の中央部にある湖に注ぎ込む。これは入り口であると同時に、山により浄化された水を取り込む手段でもある。ランリュートの水は地面に染み込み、透明な壁面を通る際に水蒸気となり、光の乱反射によって下から見上げてもほとんど見えないようになっている。

ネリールはエルヴァートを訪れた大白妖精のうち人間との交わりを避けた氏族であり、その祖の一人であるヨールキルティ・ネリールが、そのために天空の森ランリュートを作った。現在でも人間が立ち入ることを極度に嫌っている。浮遊する透明な壁面と流れ登る滝は、いずれも太古のアルフ魔術であるが、補修することのみ可能であり、その魔法はとうに失われており、仮に完全に破壊されれば修復することはできない。ネリールアルフの魔力は現在では他の一般的なアルフと同程度である。モータル魔術だが、イモータルの破砕日の際ここは意図的に影響から外された。

ネリールは、アック渓谷を含むエストメスの昔語りでは「精霊」と呼ばれることもある。