バラカンス王国に生活している人々は、大別して次の5つになる。
| エヴァルノ族 | 現在の支配層で、中央高地付近に暮らしている。金銭欲が強く、富豪が多い。頭がよく、有能な呪術師も多い。 |
| ランドル族 | エヴァルノ族に混じって生活している。比較的消極的であるが、潜在能力は高い。信仰心は高い方。 |
| オーガルガ族 | 東のリリューとの境から中ほどにまで広がっている。屈強な戦士の種族である。また鍛錬次第では優秀なレンジャーにもなる。 |
| サイノズ人 | ペルタニグレ半島に生活している西のエルスルムからの移住者。約300年前に大挙してやってきた。魔術に長けているものが多い。 |
| リリュー人 | 過去にやってきた者たちと、滅亡に際して流れてきた者とがいる。お互いを認めておらず、部族内での争いも絶えない。 |
この内実際にプレイに適しているのはオーガルガ族とサイノズ人であろう。またその置かれた状況を気にしないのならリリュー人もプレイしてよい。
エヴァルノ族は魔術師、僧侶、盗賊や吟遊詩人にもなれるほどの才能があるが、彼らは普段いかにせこく金を儲けるか、といったことを考えており、それは部族内のほとんどの構成員が同じである。
ランドル族は僧侶、魔術師、戦士などに向くが、その消極的態度は冒険向きであるとはいいがたい。彼らの根幹は「気侭に気楽に」であり、スリルや栄誉、地位などをその目的とする冒険とは相容れないものがある。
もちろん、これらの気質は「部族共通」ではあるが「一つの例外もない」ではない。過去冒険家となって名をあげたランドル族がいなかったわけではない。とはいえやはり他の冒険家たちと比べてその行動には部族の性質が表われていたのは否めない。
エヴァルノ族はランドル族を「のろまなグズ」と思っており、これは地位が高くなればなるほど態度に顕著に表われる。一方ランドル族の方では「ずるがしこい走り屋」的に考えており、もっぱらネズミかなにかと考えているようだ。
現在の王、バラカンス4世は若いころには戦士としてかなりの逸話を残している。オーガルガ族の戦士に混じって世界的に歩き回っていたようである。
オーガルガ族は全般的にローフルかニュートラルであり、他の部族に対しては公平にまた尊重に扱っている。彼らは用心棒としても重要な地位にあるため、彼らに対して悪意を抱いている部族は今のところない（もちろん個人の悪意はこの限りではないが）。
サイノズ人はエルスルムアルフの血が少々入った民族で、そのため総じて頭がよい。彼らは300年前のエルスルム内乱で、戦火を逃れてこちらに移住してきた。そのことについて彼らはあまり多くを語らないが、やはり居住を認められたエグレ民族を憎んでおり、それを認めたエネルス国王に対してもあまりいい感情を抱いてはいないようである。とはいえ、氷水の妖精王たるクリューガー・エネルスのことは憎むことなどできようはずはなく、いつの日か彼らをエグレの代わりに連れもどしてくれると思っている。
リリュー族は、昔から少しずつ流れてきていた。それが1,619年にラムサダス帝国によって本国が滅ぼされると、万単位の人々がこちらに移住してきた。というのも、皇帝であったハイゼル13世がこちらに亡命しているからである。王族を始めとして地位の高い人々が大半を占めている。彼らの乱入でバラカンスは現在飽和状態であり、エヴァルノ族は彼らをよく思っていない。
彼らとしては、オーガルガ族を中心に力を借り、ラムサダス帝国を追い出してリリュー帝国を復活させようと考えているが、ラムサダス軍の強大さを知っているだけに、計画は慎重にならざるを得ない。