以下はムーン二神教において四色の智天使とされる。母体となったルナ教の教義では、金のラ・リューンを含めて7柱とも同列である。
教母は同教における二人の巫女のことで、それぞれ銀の教母と黒の教母と呼ばれる。二柱の月の神セルナ（あるいは銀のラ・リューン…他の宗教ではナリス）、ニルヴァ（あるいは黒のラ・リューン）の地上における代理人として大きな尊崇を受ける。銀の教母は法あるいは光を体現し、黒の教母は混沌あるいは闇を体現する。それぞれセルナおよびニルヴァから力を得る。なお、混沌とは言っても混沌の（破壊の）神々とは無関係である。ニルヴァは混沌の神だが破壊の神ではない。
その装いはそれぞれ白と銀、黒と金を基調としつつ、アクセントとして一色あるいは二色使う。今の教母の場合は、それぞれ瞳と同系の色（ライムグリーンの瞳に対して明るい緑、赤い瞳に対して紅）を使っている。下着や靴下、靴の色までは決められていない。
ムーン二神教の僧侶および騎士は、二人の教母いずれかの口づけを額に受けることで月の力（神の力）を得る。基本的に二人とも同様に力を授けることができるが、善なる性格の者はシルバーから、混沌なる者はブラックからの方が力を得やすい。中立的な性格の者はどちらでも良い。また教母は同じように力を奪うこともでき、この場合は性格による違いはない。また一般信徒についても、額に口づけを受けることで病気に強くなり、長生きできるとされている（こちらは集団暗示であり、実際には何の効力もない）。
特別な力を持った赤子が、時折この国のどこかに生まれる。子供がどこにいてどう暮らしているかは、高位の僧侶に断片的に伝えられる。教会の者たちは総力を挙げて国内を探索し、この情報に合致する子を見つけることになる。子供が治癒能力を発揮することで周囲の大人が報告してくれることもあるが、大抵は僧侶たちの探索による。そうして発見した子を首都シャロウイングにある教会で育て、巫女としたものが教母である。発見され次第僧侶としての教育と訓練が課され、ある程度の能力を身につけた時点、大抵は10歳程度でお目見えとなる。2人の教母が存在している間、力を持った赤子が生まれることはない。しかし教母は出血し続けたり、死んだりすると力が失われ、そうなった場合にまた新たな赤子を探すことになる。なお、教母という呼び方のとおり、少なくともこれまで男子であったことはない。
教義にうたわれるとおり、彼女たちには銀の精霊、黒の精霊と呼ばれるものが憑依している。本人たちは、自分が特別な力を持っていることは自覚できるが、何かに憑依されているという感覚はない。精霊の声を聞いたりすることもない。出血などで力が失われたり死亡したりすると、これらの存在は別の女児に憑依する。5歳になると自動的に僧侶の力を顕現させる。
傷つきやすさや体力の面で一般人との違いはない。一般の人間と同様、鍛錬によって鍛えることはできるものの、出血とそれによる力の喪失へのおそれから最低限のものに留められることが多い。処女性にも関係し、他者と関係を持つことによっても力が喪失する。次代を見いだすことの多難さから、極めて大切に育てられる。容姿に優れたものが教母に選ばれるということはなく、アステル・ケダーディのように二人揃って美少女ということは極めて稀である。その面でも二人は格別の丁寧さを持って扱われている。教会から外出する際には一人に付き騎士が20人以上従う。なお、二人が同い年であることは過去そう多くないが、まったくなかったわけでもない。
邪悪なものを寄せ付けぬオーラを常に発している。その手で触れることで治癒能力を発揮する。最初は小さな傷程度を回復させたり、発熱や痛みを一時的に和らげる程度であり、欠損や疾病そのものは回復できないが、神への奉仕により徐々に強力になっていく。ただし同一人物への治癒は一日に一度という制約がつく。これは力がいかに力が増しても同じである。アンデッドへの対処能力は最初から中位の僧侶と同程度の力を発揮するが、こちらは神への奉仕により強くなることはない。流血すると少しずつ、力が失われる。血を2分以上流し続けると治癒の力とアンデッドを祓う力はいずれも完全に失われ、ウィッシュの魔法を用いても回復されない。その頃には精霊は次の赤子を探しているか、あるいはすでに憑依している。力が完全に失われる前に出血が止まれば、力は少しずつ回復する。
他の特別な能力として、それぞれが水晶を身につけた状態で、銀色光線、黒色光線という特別な攻撃呪文を一日に一度だけ使用可能である。手のひらから一方向に直径5'のビーム状に発射される。最大射程は360'であり、光速で到達する。範囲内にあるものは等しく影響を受ける。銀色は混沌の者に多大なダメージを与え、黒色は善なる者に多大なダメージを与える（死亡しなければ回復は可能）。また二人が片手のひらを合わせることで、もう一方の手のひらから灰色光線というビームを発射する。このビームは性格によらず大きなダメージを与える。また2本別々にカウントするので大半の生物を殺す力がある。灰色を使用すると黒色銀色は使用できないし、逆も同じである。
過去には月の信徒として最上位にまで上り詰め、セルナをパトロンとしてイモータリティを獲得した巫女もいるが、大抵はその前に死亡、あるいは力を喪失して引退する。
なお、銀の精霊と黒の精霊は、それぞれセルナ、ニルヴァの月光を受けて精霊が突然変異したものではあるが、イモータルの力はそこに介在していない。
ゲームスタティック：
接触による癒やし：レベル✕2の人数に対し1〜3ptの回復。
オーラ：プロテクション・フロム・イヴィル。
能力：5歳時点で1レベルクレリック。ターンは1レベル時点で15レベルと同等、6レベルでは16レベルと同等。以降実レベル＋10レベル。
流血時の力の減少：1ラウンドに1レベル分。
光線の力：銀色…対混沌20d6、対中立10d6、対善5d6 黒色…対混沌5d6、対中立10d6、対善20d6 無生物には常に20d6 灰色…20d6かつ2本で最大40d6（性格の影響なし）。対象は-4のペナルティ付きで対呪文STを行う。