人物

1,591.12.18生, 38歳(見掛け30歳). 身長172cm 体重65kg.

国王

地方では名の知れた屈強な戦士。黄土色の短い髪。笑わない青い瞳は油断なく周囲に目を配っている。肌の色は薄いが良く鍛えられており、腕の太さは相当なものである。あまり笑った顔が見られず、微笑するのも相手を殺すと決めたときだけだと言われる。金属鎧の下には袖のないジーンズ生地の上下を着ている。1.5m弱ほどある氷の大剣デリャンキルを振るう。

エカダインの街の領主に仕える騎士の家に生まれ、騎士団副団長だった父の厳しい指導の元で剣の腕を磨き、父を超える騎士になった。しかし1,610年、突如騎士たちを率いて反乱を起こした。国王に味方する者たちを一人残らず殺害し、その家族も見つけ次第同様にするという非情な反乱の後に王座の国王の首を刎ね、王妃や子供たちは断頭台へ送られた。その後国名を自身の姓に変えて王座に就いた。

その後エドワードは、騎士たちを馬に乗せ、四方に走らせた。当初は恐怖から彼に従っていた騎士たちだったが、エドワードが自身に従う限り寛大で慈悲深い君主だと分かると徐々に恐怖心は薄らぎ、版図の拡大とともに支持は熱烈なものになっていった。彼の騎馬軍団は草原の騎士であるウイレヌよりも高速に移動し、巨人のように破壊して回った。その急進ぶりは南の大国ライトネアの注意を引いているほどである。

そして1,630年。現在の力ではライトネアと戦っても話しにならないであろうことはエドワード自身認識しており、少なくとも直接事を構えるつもりはない。周辺の噂通り北のグリミディアに狙いを定めているが、グリミディアがムーンクレアと通じていることも把握している。このため、グリミディアに先んじてムーンクレアと手を結び、共同でグリミディアを滅ぼすのが上策だと考えている。さらにその上で何らかの形でライトネアの魔術を無効化する手立てを模索している。

1,605.4.17生, 24歳(見掛け同じ). 身長140cm 体重42kg.

マニートに住む双子の魔術師兼歌い手

双子の姉のカナとともに、柔らかなミモザのような黄色く長い髪と、オパールグリーンの瞳をした美女。衣装は二人とも三角帽子と裾の短いローブ、膝丈のワンピース、ロングブーツ。イナは赤味を帯びた明るい青、カナは紫苑色を明るくしたような紫で染めている。カナは右利き、イナは左利きであり、良く整えられた魔法の杖を持つ。いずれも魔術そのものはそこそこである。各地を渡り歩いて様々な魔術師と語り合ったことで、その術の範囲は比較的広い。ただし相手を直接傷つける魔術は好んでおらず、火球や雷撃といったものも心得てはいるがあまり使いたがらない。

彼女たちは昨年からライネル王国のマニートを拠点として、人々に歌を披露しつつ周囲に冒険に出ているが、流れ者であり一箇所にとどまるのは長くて1年である。マニートの前にはライトマイ王国の大都市ミラカントにいたと語っている。事実としては間にアレステューを挟んでいるが、二人にとってあまり良い思い出ではないので「なかったこと」にしている。一般には知られていないものの、20歳の頃、ごく短期間だがスレイマ魔王国のスレイミールに所属したこともある。生まれはメラルド王国首都キルカ（現アマリス帝国トリフレイデス子爵領）であるが、これも人に明かしたことは少ない。街を出たのは15歳の頃で、それから9年をかけてデュール内海沿岸をぐるりと回っている。

彼女たちの真価は二人一組で発揮される。二人の歌声が同時に響くと、周囲の生物は高確率でその声に心を奪われ、気が緩み、動作が緩慢になってしまう。この力は生来のものである。最強クラスの戦士や術師であればこの影響を無条件に回避可能だが、何の訓練も積んでいない者は問答無用で動きが制限される。アルフは比較的この影響を受けづらい。ハーフリングは心を奪われることは少ないものの、踊りだしてしまうことが多い。この能力自体はとくに秘密にしているわけではない。依頼されれば冒険者集団や探索隊に加わったり、個人から仕事を請け負うこともあるものの、常に二人セットでそれなりの高額を望む。請け負った仕事を投げ出すことはなく、力の及ぶ限り完遂しようとするだけの責任感はある。二人ともシードル酒を好み、酒場で明るくしゃべっているところが見かけられる。

容姿が整っていることで、10代前半から求婚も多いが、今のところ二人の旅を楽しんでおり、落ち着くつもりはない。

リム・イナ参照。