概要

エルドレスは、823年から1,613年、790年にわたって続いた神権政治国家である。その前身としてファーザーズ・ファイヴという国家があり、信奉する神は異なったが5人の王を立ててそれぞれが5つの地域を治め、5人の協議によって全体を治めるというスタイルを引き継いでいる。この5人のことを五連王と呼ぶ。建国当初の首都はオリアルドであり、現在のエカトリノは元々ファーザーズ・ファイヴの首都だった。853年にファーザーズ・ファイヴを滅亡させた後に移転している。

エカトリノ王国を中心に、ヴォーテルジー王国、ヴィナルト王国、ネルザン王国、ソーディッヒ王国の5つの国家が並立し、エルドレス神国を形作っていた。最後のエカトリノ国王はミールテン。国教であるエルドレス教の教皇を兼ねた存在である。基本的には5連王のうちいずれかが教会の教皇を兼任していた（歴史上には別だったこともある）。

1,613年にアイスラント軍が侵攻し、瞬く間に5王国の首都にあふれた。アイスラント軍は移動に魔術を併用しており、首都エカトリノはわずか3日で陥落、ミールテンは戦死した。王子シャクシャインは初日に首都を脱出しているが、その後行方知れずとなっている。健在なことが分かっているのは王女だったヴァミリエだけである。ヴァミリエはこの侵攻よりも4年前、西の新興国ローラン王国（かつてはエルドレスの属州だった）王妃に望まれ、国を離れていたのである。これはミールテンの望んだものではなかったが、彼は死の間際に、結果的に不幸中の幸いだったと考えた。

アイスラントはこの後ホーメルトの大国に戦争を仕掛け、首都を陥落されてあっさりと滅亡した。軍をすべて他国へ派兵していたことで、首都を防御するのは国王の護衛隊だけだった。そこへ超遠距離爆撃を受けてひとたまりもなかった。アイスラントの占領地にはジアザー帝国の軍が現れ、てきぱきと戦後処理を行った。アイスラント軍の中には反抗する部隊もそれなりにあったが、大半は帰郷を選んだ。ジアザー軍はアイスラント以上に魔術特化であり、士気の低下した軍の抗し得るものではなかったのである。ジアザーは1,629年にアマリスと国号を変えている。

エルドレスの名はこの地方全体を指すものであり、特定の地域ではない。古くはアルドレスという発音をしており、これはB.C.7,400年に勃興した旧世界の国家の名でもある。