概要

アマリス帝国は、オージャス大陸の東側大半をその支配下に置く大国である。ホーメルト地方に興ったジアザー帝国がオージャス南東部の大国ヘレネス王国を電撃戦で打ち破り、首都を占領した。その後アイスラントが滅ぼしたエルドレスを含めた北端の地を手に入れ、古い伝統のある国家ファームズ帝国を南北から挟み込む形になった。西にあるライトネア連合王国と三つ巴の構図である。

新興国家としては珍しく、貴族が存続している。ただしジアザーが問題ありとした貴族は平民に落とされている。ジアザー帝国建国時、ヘレネス占領時の都合二度、こうした検分が行われている。前者はキリアン連合軍という貴族連合軍による反乱につながり、後者も一度だけだが反対する貴族たちとの戦いが行われた。

その強さを支えているのが、白色魔術団、白色騎士団という存在である。これらは通常の軍とは別の組織であり（建国時は白色騎士団が軍の扱いだった）、優れた魔術師や戦士が集められ、魔術を含めた高度な戦略を可能にしている。また、これとは別に要人警護のため虹の聖騎士団という少数精鋭の戦士や魔術師がいる。

国土は大きくアイスラント、エルドレス、本土（ヘレネス）に分かれる。行政単位としては州-県-区となる。ただし首都であるアマリシアのみ、アマリシア州-アマリシア特別区という二段構成である。またバルン海上にあるジアザーランドもまたく、区の単位でアマリシア州に属する。

アイスラント州の州都パニアは、かつてのアイスラント王国時代から大規模な気候変換魔術が行われ、北緯80度になる高緯度帯にありながら一帯は草が生い茂る平野である。パニアほど大規模ではないが、多くの街で過去気候変換魔術が行われている。中でもパニアに次ぐ規模で行われたのがオズレアであり、そのため現在ローディッヒの州都になっている（ただし、交通的には整備されていないため、リークあるいはハレアへの変更が議論されている）。アイスラント地方の街では霜の巨人や雪狼等寒冷地に棲む怪物の襲撃に怯え、自警団を作っている。大きな街には国軍が駐留することもある。オズレアにも一個中隊が交代制で駐留している。

アイスラントには、復讐戦の機会を伺う王国時代の魔術師たちが集っている。この中心となっていると目されるのが、最後の王ヴィルヘルム・クルーザスの妹ユイ・サンサーラである。「雪の女王」の二つ名を取るこの女魔術師は、しかしここ数十年目撃されておらず、容姿は知られていない。

アマリスに夫婦同姓の決まりはない。また一夫一婦が推奨されてはいるものの、必須ではない。とくに貴族には複数の妻を持つ者もいる。

コーヒーは粉のまま煮出した飲み方をする。このためカップに粒が残る。この残り粉の形で運勢占いをする者がいる。

広大な領土のため、各地にデミヒューマン、ヒューマノイドが住んでいる。その中でもとくに有名なのが、シヴィルスク州にある大森林シヴィルスクのアルフたちである。太古のアルフたちに近い存在と言われる彼らは、めったに森の外へ出てこない（ただし、ラムサダス帝国にいるクラリウス…クラリール・ブラーンシュや永世王国のエール・ブラーンシュのように、数は少ないが例外はいる）し、森の外の者たちに対しては非常によそよそしい態度を取る。森の中ほどにあるシヴィルスクタウンのみ人間やドワーフらにも開放されているが、シヴィルスクのアルフは限られた者たちしか現れず、とくに氏族長や長老格の者たちが現れることは極めて稀である。また、こうした態度は親類である他の森のアルフたちに対してもほとんど変わりがない。

シヴィルスクの南にあるクラルカメイコ砂漠は、一年中ほとんど雨の降らない乾燥した土地である。二箇所ほどオアシスがあり、帝国に属しながらも半自治を行う太守がいる。

アイスラントの常雪地帯には、ダイヤモンドが豊富に埋蔵している地層がある。ただしこれまでここで採掘を試みたのは1,000年前のコリント帝国のみである。

1,629年の国際会議

1,629年10月20日、ジアザー2世の提案により国際会議が開かれた。これは、フェルナンド帝国のシリア侵攻に基づき、各国の反応や世論を考えてのものである。しかし、どの国もフェルナンド帝国の手前、国際会議で公のものとしようとしなかった。ジアザー2世はラムサダス帝国にもその意志がないものと知ると、アーサー・フェルナンドに通した上で国際会議を開く提案を出した。それは各国とフェルナンド帝国の両方の顔を立て、前皇帝亡き後のアマリスの姿勢と自らの意志を周りに示そうとしたジアザー2世の考えであった。

以下はガゼッタ資料裏表紙のためにプレイヤーキャラクターに向けて書いたもの。

いまやファームズ帝国との全面戦争は避けられぬものとなった。帝国各地で兵士たちが、使い込んだ砥石に自らの剣を当てている。光り輝くその剣は、必ずや父祖からの仇敵を打ち砕くことだろう。白色魔術団の恐るべき魔術師たちも、我々を支援するため、敵の擁する魔術師の力を削ぐべく戦略を練ってくれているだろう。かつて永世王国から来たという、あの司令官は言った。「君たちに恐れるべきものは何もない。誇りを胸に戦え」と。
　帝国は、君たちの力を欲している。ファームズ帝国は、衰えたりとも未だ油断できぬ、古く強力な敵だ。そしてその背後には、常にライトネアの影がちらつく。ライトネアにつけいる隙を見せぬうちに、相手を完膚なきまでに叩きのめす。厳しい戦いにおいては、熟練した冒険者達の知恵が常に重宝されるものだ。名をあげるには持ってこいの舞台だろう。

また、君たちは帝国の戦争には手を貸さず、帝国内を自由に渡り歩くことにしても良い。太古より存在する、忌まわしきシヴィルスクアルフの住まう魔界の森。人と獣の骨が、愚かな旅人をあざ笑うクラルカメイコの大砂漠。峻険な峰峰と、そこここに点在する奈落の谷間が形作る、大いなるノルアートの山脈。一面を氷に閉ざされた、雪と氷の魔物うごめく凍てつく地・アイスラント。そして、各地に点在する遺跡と謎の数々。賢者が1,000年を掛けても、そのすべてを解き明かすことなどできはすまい。

このアクセサリには、オージャス大陸の東半分を占める大帝国・アマリスの地理、歴史、文化、宗教、軍事その他が収められている。