海の王国の概要

海の王国は島国で範囲は広いが陸地は少なく、人口も多くはない。しかし「国民総海兵」と言われるように、彼らは基本的には男女問わず全員が兵士である。人間のいる各島はそれぞれが数十隻の艦艇を保持しており、有事はこれらが連携して敵を叩く。

海の王国の周辺は潮の流れが複雑な海域が多数あり、しかも一年を通じて急所が動くために安全な航行が極めて難しく、彼らの島々へたどり着くのも一苦労である。また頻繁に積乱雲が発生し、雷雨をもたらしているため航空機によるアウトレンジ戦法もうまく機能しない。これに加え、半世紀を掛けて海軍の強化に取り組んだのが現在のハルシャと父リアンドラ、祖父のラージプートである。とくに、祖父と父が練度と人力の強化に取り組んだのに対し、1,608年に即位したハルシャは諸外国の状況を独自に調査し魔法による艦船強化に腐心している。彼自身が努力に比してあまり武器を習熟できておらず、同じように才能の乏しいものの苦しみを理解しているためでもある。

彼らが自分たちの島々のことを呼ぶときは、「ナヤ・アジーラ（Naya Ajeera）」という言葉を使う。彼らの言語で「新天地」や「緑の大地」を意味し、祖先が裏エルヴァートから訪れた際に用いた語をそのまま使っている。ハルシャは島外の人間たちにもこの名を使って欲しいと考えているが、海の王国の存在を知っている時点で少数であり、その中で彼らの言葉を知っている者は限られているため、今のところは使ってもらえそうにない。