軍隊

1,630年現在

コリント王国にあるのは、公式には上記艦隊のみであり、陸軍は存在しない。これは艦隊の強力さがなせるものであるが、近年これらのうち、第三艦隊を除く艦は使用されなくなっている。艦の整備が表面的にしかなされておらず、老朽化してきているからである。これには2つの理由がある。まず、これらの艦は建造から15世紀近くを経ており、建造当時の技術継承が途絶えていること。そして艦の航行に必要な鉱石がほぼ枯渇しているが、この星では採掘できないことである。鉱石はこの惑星のひとつ外側を周回する惑星アクセラに存在するため、そこまで艦を飛ばせば良いのだが、存在すること、そして採掘に必要な技術もまた失われている状況である。第三艦隊は王国発足後に作られたものであり、他国の艦隊と変わるところがない。

機動力は戦艦で58ノット（第一第二艦隊）、30ノット（第三艦隊）、潜水艦は水中で26ノットである。また、潜水艦は最高潜度1,549mに達する。

提督は基本的にいずれも貴族出身者で、過去には平民が就任することもあったが例は少ない。幕僚以下はとくに慣例もなく、能力によって決められるため平民も比較的多い。

第一艦隊サリトル・ハイフォールは侯爵家、当主マッスルの従兄弟。第二艦隊フォーカー・グラントは子爵家、当主マッシュの叔父。第三艦隊ロッカー・ライオネルスは男爵家、当主ワイアーの兄。第四艦隊アストリル・デルスターは男爵家、当主ミリバンドの甥。

艦隊に代わって現在主として用いられているのが、メイスター伯爵家の持つ飛竜部隊である。当主自らが隊長を務めるこの戦隊はその数50程度だが、公式には第一第二および第四艦隊に所属することになっている兵士たちが地上軍としてこれに加わり、立体的な運用を可能としている。したがって上記艦隊は事実上、それぞれ陸、陸、海、陸軍となる。近年、王家を含む両公爵家では、体面を保つための上記四艦隊構成を、実情に合わせるべきだと考えるようになっている。

また、わずかながら戦闘機（P-1 リエル）と偵察機（N-1 ミュルン）を所有している。これらは過去スメル帝国の技術をベースに製造したものである。戦闘機は局地的な作戦や、飛竜隊に所属しない者が飛竜とともに移動する必要がある場合に、偵察機は飛竜よりも高速に移動して隠密性の高い偵察や移動を行なう必要がある場合に、それぞれ用いられている。