王女守護戦士

コリント王家の姫は慣例により有力貴族に降下するが、その時までに戦士として一流になっていなければならず（もちろん、社交的にも、芸能一般にも精通していなければならない）、このために6歳くらいから厳しい訓練を受けることになっている。これは代々受け継がれ、現在に至るまでこれに背いたのは、約400年前、王族の地位もなにも捨てて漁師の男と駈け落ちした「恥さらしな」アリュア・サティス王女が知られているのみである。現国王ハレスガードの王妃ラリエもまた、エリシエルを産むまではしなやかな女戦士だった。

王女が成人(17)するまでの間、彼女と行動を共にしてこれを補佐し、守護するため、そして友人となるために優秀な戦士が数人集められる。現在は4人である。彼女たちは、王女以上に厳しい訓練を受けるので、21〜24歳ころには戦士としての限界に達し、一線からの引退を余儀なくされることが多い。大抵は将来的な伸びしろが十分に見込める才を示した者が選ばれるが、現在の4人ではカリミアのみ例外的に、最初から実力を伴った存在である。王女のエリシエルは1,630年で15歳であり、他に未成年の王女はいないため、4人は再来年の誕生日には守護戦士の任を解かれる。