概要

アトランティス王国は、シャイアン洋に浮かぶ大きな島国である。首都アトランティスは島の西岸にあり、石畳を敷き詰めた重層な都市である。

一般的には浅黒い肌で、緑から黒の髪の毛、同じように緑から黒の瞳が多い。上半身は裸で下半身はたっぷりとした半ズボンをはく。

アトランティスの王子は、生まれてすぐに母親および近侍とともに首都アトランティスを離れ、島中央部のクリティアス湖周辺にいくつかある養育のための村の一つで暮らすことになる。首都へ戻れるのは成人する15歳になってからであり、それまではクリティアス湖周辺のみ（オリハルコンを産出するメストル山脈〜オネイハルコス森）が移動可能範囲であり、他の養育村を訪れて兄弟に会うことは可能であるが、首都だけでなく東西南北の海岸付近に近づくことは許されない（王女に関しては特段の事情がなければ首都で育てられる）。この周辺には、基本的にはおとなしいが刺激すると敵対的になる怪物も多く、王子の必修科目と言われる剣の修行にも適している。またクリティアス湖北岸はかつてアトリス神が降臨した場所とされ、島で一番の大神殿が建てられている。神官としての修行の場であり、また怪我や病気の治療の場でもある。アトランティスの王族男子は神官も兼ねることになっており、とくに王は名目上最高神官でもあるため、王子たちもここで「公正・公平」をモットーに厳しい修行に勤しむのである。

また、アトランティスは神官、王侯貴族、平民（奴隷を含む）という3階級それぞれで通常使用する言語・文字が規定されており、上位の者は下位のすべての言語を（会話だけでも）解することを推奨されている。神官であれば神官語の会話読み書きの他に、貴族語、平民語の2つの会話も可能であることが求められている。無論読み書きまでできればなお良しである。これは、初代アトランティス王がアトリス神から賜った「高位の特権に預かる者は下位の者の不満を聞くべきである。そうしてこそ公正な立場を維持できる」という言葉によるとされている。ただ、王族は王侯貴族でありながら形式的に神官を兼ねるため他の者たちとはやや異なる。必須は神官語の会話、貴族語の会話読み書き、平民語の会話である。王子たちは、養育係たちから貴族語を、村の住民たちから平民語を、そして神殿の神官たちから神官語を教わる。