1,613年にフェルナンド・ジアザー・ラムサダス連合が滅ぼしたアイスラントの地に、アーサー・フェルナンド現フェルナンド帝国皇帝が建てた国。範囲はアイスラント島一島。ゼロスを除いた現地人の名前は、アーサーの発音のしやすさからホーメルト語（英語系）発音になっているが、実際にはアイスラント語（ドイツ系）発音である。アイスラントでは平民が姓を名乗ることは認められていなかった。
アーサーは、自身が一から立ち上げたこの公国をとても大切に思っていた。混沌戦争後にノブルで隠居生活をはじめた理由は、息子アンドリューが行方不明となって死体さえ見つからなかったのが一番ではあるが、この公国で労苦を共にした者たちが次々に死んでいったことによる深い傷も大きい。
隊長 ゼロス・エルディオレ
1,577.12.2生, 52歳(見掛け同じ). 身長157cm 体重63kg.
ゼロスは旧エルドレス神国の首都エカトリノの貧しい家で生まれた。その上神官の力が強かったエルドレスで魔術を修めるのには、並々ならぬ努力と才覚とを必要とした。それはアイスラントが滅亡した後に公国の魔法部隊隊長に抜擢されるということで報われた（アイスラントにはハロルド、ロンデニオンのように魔法部隊の生き残りもいたが、アーサーは彼らを信用しなかった）。さらに彼はホーメルトへ移住して新生フェルナンド王国に参加し、いち提督としてイェン・ヴェルディの元で活躍した。移住してすぐに、旧ノブルランド男爵だったナジャール・グウィンバードと出会って親友となったのはよく知られている。
隊員
ゲオルク、ヴィルセン、ロベルト、アシュリー、レオポルト
団長 ジーモン
1,582.3.25生, 30歳(見掛け同じ). 身長167cm 体重64kg.
団員
クレメンス、マグヌス、ドロテーア、アルツール、マックス、エリーザ
アーサーは現地の民間人の教育レベルを上げるために、パニアゼミナールを開校して広く生徒を募った。教師は老若男女、すべて現地採用である。最終的におよそ50人の子供が学ぶことになったが、彼ら教師、子供たちとも大半は翌年の混沌戦争で死亡している。
| 01 | マルコ |
|---|---|
| 02 | ラウラ |
曜日 時限 | レイト | ファル | メモル | マール | ノール | ダウン | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| - | 8:40 8:55 | Short Home | |||||
| 1 | 9:00 9:50 | Ｍ | 美 | 体 | 音 | 美 | 外選 |
| 2 | 10:00 10:50 | 国 | 体 | 外選 | 理 | 社 | 理 |
| 3 | 11:00 11:50 | 外選 | 社 | 国 | 国 | 数 | Ｇ |
| - | 12:00 12:50 | Lunch Time | |||||
| 4 | 13:00 13:50 | 数 | 技家 | 音 | 技家 | ||
外国語選択は、現在ホーメルト語のみ。
| Ｍ（道徳講義） | 担任 |
|---|---|
| 国語 | フレデリック、シュテファン |
| 外国語選択 | ベンヤミン、トーマス |
| 美術 | クリストファー、ノエル |
| 体育 | ゲオルク、ペーター |
| 社会科 | デューン（現代社会、地理） |
| ヨハン（歴史） | |
| ヴィルヘルム（流通経済） | |
| ツィオン（政治倫理） | |
| 音楽 | イアン、エリック |
| 理科 | ジャック（生物学） |
| オスカー（化学） | |
| カール（気象地学） | |
| ロドリック（力学物理学） | |
| 数学※ | アルベルト、カトリン |
| 技術家庭 | ルイス、マックス |
| Ｇ（学級会） | 担任 |
※エウクレイデス幾何学程度
給食については、月々各人5ホーメルト（gp）となるが、うち1ホーメルトを国庫から支出する。
以上はD&D®プレイ当時の設定に若干修正を加えたもの。これ以降はアルツール、ゼロス、ハロルド、ロンデニオンを除きこれ以降の追加設定である。
| 名前 | 生年 | 没年 | 当時の肩書・役職 | 現在 |
|---|---|---|---|---|
| アルツール | 1,593 | 1,614 | 騎士団員 | 混沌戦争で死亡 |
| アーサー・フェルナンド | 1,592 | 王子 | 1,615年王国復活、同年帝国皇帝 | |
| アシュリー | 1,590 | 1,614 | 魔法部隊員 | 混沌戦争で死亡 |
| アルベルト | 1,586 | 数学教師 | 1,619年バレラス大学講師 | |
| イアン | 1,588 | 音楽教師 | 1,619年パニア国立大学講師、1,620年ラウラと結婚 | |
| ヨハン | 1,590 | 1,614 | 社会科教師 | 混沌戦争で死亡 |
| ヴィルヘルム | 1,585 | 1,614 | 社会科教師 | 混沌戦争で死亡 |
| ヴィルセン | 1,587 | 1,614 | 魔法部隊員 | 混沌戦争で死亡 |
| エリーザ | 1,589 | 1,614 | 騎士団員 | 混沌戦争で死亡 |
| エリック | 1,570 | 1,614 | 音楽教師 | 混沌戦争で死亡 |
| オスカー | 1,579 | 1,620 | 理科教師 | 病死 |
| カール | 1,583 | 1,614 | 理科教師 | 混沌戦争で死亡 |
| クレメンス | 1,586 | 1,614 | 騎士団員 | 混沌戦争で死亡 |
| クリストファー | 1,582 | 1,614 | 美術教師 | 混沌戦争で死亡 |
| カトリン | 1,588 | 1,614 | 数学教師 | 混沌戦争で死亡 |
| ジーモン | 1,582 | 1,614 | 騎士団長 | 混沌戦争で死亡 |
| ツィオン | 1,585 | 1,614 | 社会科教師 | 混沌戦争で死亡 |
| ジャック | 1,580 | 理科教師 | ザレア在住 | |
| ゲオルク | 1,593 | 魔法部隊員＆体育教師 | 1,626年グレーデン女子学院講師 | |
| シュテファン | 1,569 | 1,614 | 国語教師 | 混沌戦争で死亡 |
| ゼロス・エルディオレ | 1,577 | 魔法部隊長 | 1,615年艦隊提督、1,628年現役引退 | |
| デューン | 1,587 | 社会科教師 | パニア在住 | |
| トーマス | 1,581 | 1,614 | 外国語選択教師 | 混沌戦争で死亡 |
| レオポルト | 1,584 | 魔法部隊員 | 1,626年第一艦隊所属 | |
| ドロテーア | 1,586 | 騎士団員 | 1,626年第二師団所属 | |
| ノエル | 1,582 | 1,614 | 美術教師 | 混沌戦争で死亡 |
| ハロルド・ザ・ダークソーサラー | 1,492 | 1,613 | アイスラント魔法部隊生存者 | ラストストライクで自殺 |
| ペーター | 1,585 | 1,614 | 体育教師 | 混沌戦争で死亡 |
| フレデリック | 1,584 | 国語教師 | 1,622年アマリシア国立大学講師 | |
| ベンヤミン | 1,590 | 1,614 | 外国語選択教師 | 混沌戦争で死亡 |
| マルコ | 1,586 | 1,614 | 1組担任 | 混沌戦争で死亡 |
| マグヌス | 1,595 | 騎士団員 | 1,620年ジアザー帝国第三師団所属 | |
| マックス | 1,589 | 1,614 | 騎士団員、技術家庭教師 | 混沌戦争で死亡 |
| ルイス | 1,584 | 技術家庭教師 | ハティナス在住 | |
| ラウラ | 1,587 | 2組担任 | 1,619年パニア国立大学講師、1,620年イアンとの結婚を機に引退 | |
| ロドリック | 1,580 | 理科教師 | 1,625年魔法部隊所属 | |
| ロベルト | 1,584 | 魔法部隊員 | 1,625年魔法部隊所属 | |
| ロンデニオン・ザ・アクロマティックディヴィナー | 1,494 | 1,613 | アイスラント魔法部隊生存者 | ラストストライクで自殺 |
元々並以上の力があったゼロスは、パニアで混沌戦争を生き抜きサミ動乱の後にホーメルトへ移住して海軍の提督となった。しかし、アーサーはその後何年も、公国の関係者はゼロスを除いて全員が死亡したと考えていた。1,618年になって単身バレラスに現れ、アーサーに目通りを願ったアルベルトが本物だと判った瞬間の皇帝の感激は、混沌戦争を経験していない者たちの想像し得るものではない。アルベルトは混沌戦争のさなかにモンスターに襲われて左腕を失っていたが、それでも命を存えただけましだった。
ともかくも、アルベルトとの再会で希望を持ったアーサーが情報部に調査を命じ、彼ら全員のその後が判明したのは1,625年になってからである。アーサーはこの年から毎年10月29日（公国の建国記念日）、魔法部隊に命じて彼らの現在地からパニアへの直通魔導門を開き、私費でのささやかな酒宴を設けている。レオポルト、ドロテーア、そしてロドリックとロベルトの兄弟は、いずれもこの席でアーサーの勧誘によって帝国での職を得た。パニアで生き残っていたわずかな教え子たちも徐々にこの席に集まりつつあり、同様に帝国での職を得た者もいる。
パニアはアイスラント・ノブルランド交換条約によってジアザー帝国領となっていた。このため、アーサーは毎年10月29日にパニア国立大学*の一室を貸与してくれるよう、ホットラインでジアザーに頼んだ。もちろんジアザーは快諾した。しかし、いざ当日を迎えると出席者たちの気分は微妙なものだった。そこは既に彼らの知っている懐かしい校舎ではなかったからである。ジアザーは彼らの心情を察し、大学構内に改装前のパニアゼミナールのささやかな校舎をそっくり再現し（もちろん位置は微妙に異なる）、翌年の酒宴に間に合わせた。これは10月28日になって打ち明けられるまで、アーサーにさえ内密に進められていた。アーサーがジアザーの計らいに深く感じ入ったことは言うまでもない。
さらに翌年、アイスラント・ノブルランド交換条約の付則に新たな一項が加えられた。アーサーたち旧公国関係者に限り、再建されたパニアゼミナール校舎を常時無申告で利用可能であるという内容である。これはジアザーの帝国がアマリスと改称した現在でも継続して有効であり、ジアザーの息子ジアザー2世も同意している。ただし、アーサーは毎年律儀にジアザーに一言伝えていたし、ジアザー亡き後は息子に伝えている。
* 廃墟となったパニアゼミナール校舎を取り壊し、新しい校舎を建てたもの、規模も大きい。