ロングッド、ラムサダス、そしてバラカンスに存在するウォームホール。この「門」はごくせまい角度からのみ見える厚みのない長方形をしており、色は白と黒の間を行ったり来たりしている。微妙な濃淡があり、流れる水面のようにも見える。巨人サイズまでの生物が通行可能であり、一瞬のうちに別の場所へ移動する。出現地点は2つの月、セルナとニルヴァの月齢によって変わる。見える側の面は周囲の地形に巧妙に隠されており、偶然それを見つけることは稀な上、次に来たときに発見できる可能性も低い。特殊な技能を持つ者だけがこの場所を完全に把握可能で、探索の魔術では対象外となる。瞬間移動の魔術でもこれを中心とした半径1マイル程度を出現地点に指定することはできず、指定した場合周囲24マイルのどこかにランダムに出現する。
数千年前、銀のラ・リューン（ナリス）の実験によってできたもの、いわゆる「魔導門」である。複雑なヴォーテクスの絡みあいに接続しており、各ムーンゲイトはその近辺のどこかに通じる。前述のように出現地点は月齢により、セルナの30日とニルヴァ45日の組み合わせで90箇所になる。ただし2つの月がいずれも新月の場合は開始地点に出現するため、行き先は89箇所ということになる。移動距離はセルナとニルヴァの月齢が進むに従って伸びる。たとえばロングッドのムーンゲイトは最長で北ホーメルトのレイテル山脈北端付近に出現する。出現地点にはそれらしい門はなく、完全に一方通行である。ムーンゲイト間を結ぶ接続はない。
第二キングスパーティのブラックホースが最初に＜地獄の谷＞を訪れたのは、冒険を求めてロングッドのムーンゲイトを通過したからである。ブラックホース自身がそこへ行きたいと願ったわけではなく、そのときの出現地点がたまたま＜地獄の谷＞だった。モータルではどのようにしても、出現地点を選択できない。イモータルは力を消費して出現地点の選択が可能。ただし、元々意のままに瞬間移動が可能な彼らには、意味の無いことである。