ハイメタル

エルヴァート最高の硬度を持つ魔法の金属。1,630年現在は、ロングッドに住むコレクター、アサハルデルンのみがその製造法を知っている。質量は銅より重い程度であり、硬度はルビーに匹敵する。耐熱能力も高く、2,000℃程度の熱では変形すらしない。基本的に（重要事項参照）魔法によってのみ破壊可能である。ハイメタルの物品に対して通常の物品で攻撃を行った場合、その物品は基本値50％で砕け散ってしまう。

方法さえ分かれば、自由な成形が可能である。ハイメタルによって鎧を作った場合、非常に硬く壊れにくく、また敵の攻撃を避けられる逸品となる。楯を作った場合、通常の楯の何倍も敵の攻撃を防ぎきる。これらの装備は非常に軽量だが、それでも戦闘訓練を積んだ者以外が装備すると問題が生じる。身軽さが重要なレンジャー等にも支障が出るのは当然ながら、魔法との親和性が高いため、神聖術系以外の術を操る者にも不向きである。

ハイメタルによって船を作った場合、通常の戦闘でこれを沈めるのは不可能である。ただ魔法攻撃（およびハイメタルによる攻撃）のみがそれを可能とする。ハイメタル製の戦闘機についても同様である。

戦闘時にハイメタルで壁を作った場合、極めて有用な防御兵器となろう。通常兵器での破壊が不可能な上、倒れた場合に下敷きになったものに大きなダメージを与える。生物であれば即死し兼ねない。しかも倒れることによって壊れることもない。ただし、テレキネシスによって移動させることは一切できないので、これを立て直すには物理的な力が必要となる。ハイメタルの壁を攻撃した場合、イモータル級の力を持たない限りダメージを与えることはできない。

ハイメタルにより作られた物品にはいかなる魔法をも付与することはできないが、形状を工夫すれば魔法をかけられたものを内封することは可能である（フレームランチャーがその例）。

ハイメタルの鋳造と加工には専門知識が必要であり、これを持たないものが鋳造などをしようとした場合には95％の確率で何らかの化学反応によって爆発を引き起こす。爆発は周囲の40フィート四方にいるすべてのものに甚大な被害をもたらす。この爆発は非魔法のためウィッシュを除くカウンターマジックでは防ぐことができない。また、もしその知識を持っていても、相当な頭脳を持っていないと同様の爆発を引き起こす可能性がある。

他の魔法との兼ね合い

• Xレイ・ヴィジョン：ハイメタルを通して向こうを除くことは不可能。さらにインヴィジブルにすることが可能（1分以内）。
• アースクエイク：地面におかれていた場合ダメージを受ける。
• アイス・ウォール：ハイメタルには一切のダメージを与えない。
• アイス・ストーム：ハイメタルには一切のダメージを与えない。
• アイデンティフィケーション・スレート：半年をかけて、ハイメタルについての情報を得られる。
• アナライズ：通常と同じく然るべき装着の仕方をすれば、その力を理解できる。
• アニメート・オブジェクト：ハイメタルを移動させることはできない。
• アンチ・マジック・シェル：ハイメタルは効果圏に侵入することはできない。
• イクスプローシヴ・クラウド：通常のダメージを与える。
• インヴィジビリティ：ハイメタルを透明にすることはできない。
• インヴィジビリティ10’ラディアス：同上。
• ウィッシュ：レアメタルを除く金属に変える（判定の余地なし）。また移動が可能。
• ウェブ：ハイメタルの物品は抜け出るまで使用不可能になる。
• ウォール・オブ・アイアン：倒壊によるダメージは受ける。逆にハイメタルの壁が倒れた場合、鉄の壁は何らダメージを受けない。
• ウォール・オブ・ストーン：倒壊によるダメージは受ける。逆にハイメタルの壁が倒れた場合、石の壁は何らダメージを受けない。
• ウォール・オブ・ファイア：ハイメタルは少しずつダメージを受ける。
• オブリタレイト：ハイメタルには一切のダメージを与えない。
• かめはめ波：通常のダメージを与える。
• クラウドキル：ハイメタルには一切のダメージを与えない。
• クリーピング・ドゥーム：ハイメタルには一切のダメージを与えない。
• コーズ・クリティカル・ウーンズ：通常のダメージを与える。
• コーズ・シリアス・ウーンズ：通常の半分のダメージを与える。
• コーズ・ライト・ウーンズ：ハイメタルに対しては一切のダメージを与えない。
• コミューン：イモータルはハイメタルに関してのコミューンに応答しない。
• コンタクト・アウタープレーン：イモータルはハイメタルについての質問には必ず嘘をつく。
• コンティンジェンシィ：ハイメタルは無条件で破壊する。
• サモン・オブジェクト：ハイメタルの物品を召喚することは不可能である。
• シールド：ハイメタルの武器は、シールド効果圏にいるものにはあまりダメージを与えられない。
• スォード：通常のダメージを与える。
• スタチュー：ハイメタルの武器からは一切のダメージを受けない。
• スティール・フォーム：ハイメタルの壁はスティールフォームを結合することができ、船体などの一部だけをハイメタルにすることが可能である。
• ストライキング：ハイメタルの武器は追加ダメージを得られない。
• タッチ・ディスペル：ディスペル・マジックに同じ。
• ディスインテグレイト：ハイメタルを無条件で粉々に破壊する。
• ディスプレーサー・クローク：ハイメタルの装備だけは屈折せず、本来の位置に見える。
• ディスペル・イヴィル：ハイメタルの物品を1〜6ターンの間使用不可能にする。
• ディスペル・マジック：非常に高い技術を持った魔術師の製造物として扱われるが、成功しさえすればただのブリキの塊とすることができる。
• ディテクト・マジック：ハイメタルは魔法の物品として発光する。
• ディメンジョン・ドア：重要事項参照。
• ディレイド・ブラスト・ファイアボール：通常のダメージを与える。
• テレキネシス：ハイメタルの物品の移動は不可能。
• テレポート・エニィ・オブジェクト：ハイメタル物品を転送することはできない。
• どどん波：通常のダメージを与え、一定の確率で粉々になる。
• パーマネンス：ハイメタルに対しては魔法がかけられないので無意味。
• パス・ウォール：ハイメタルの壁には穴を開けられない。
• バリアー：そのラウンドには通常のダメージを与えるが、バリアーは瞬間で消滅する。
• ヒート・メタル：通常の効果。
• ファイアボール：通常の壁と比較して半分程度のダメージを与える。
• フィンガーオブデス：ハイメタルには一切のダメージを与えない。
• ブレス：ハイメタル製武器が敵にヒットする確率をあげる。通常の武器と異なり与えるダメージには変化がない。
• フローティング・ディスク：フローティングディスクの上にハイメタルを載せるのは不可能である。
• プロテクション・フロム・イヴィル：ハイメタルは効果圏に侵入することができない。
• プロテクション・フロム・イヴィル10’ラディアス：同上。
• ホーリィワード：ハイメタルに対しダメージを与える。
• ポリモーフ・エニィ・オブジェクト：ハイメタルを別のものに見せることはできない。
• 魔貫交殺砲：ハイメタルを無条件で破壊する。
• マジック・ジャー：ハイメタルの物品に入り込むことは不可能である。
• マジック・ミサイル：ハイメタルに対しては一切のダメージを与えない。
• マス・インヴィジビリティ：ハイメタルを透明化することはできない。
• マスモーフ：ハイメタルのある部分だけ効果が現れない。
• ムーヴ・アース：ハイメタルが地面におかれていた場合、ダメージを与える。
• メタル・トゥ・ウッド：長くて1分間木に変える。この間物品は破壊可能であり、破壊された物品は然る後本来の姿（破壊されたままで）を取り戻す。
• メテオ・スウォーム：通常のダメージを与える。
• ライトニング・ボルト：通常のダメージを与える。
• リヴァース・グラヴィティ：ハイメタルは落下によるダメージを受けない。
• ロア：ハイメタルについての情報は得られない。
• ロケート・オブジェクト：ハイメタルの探知は不可能。

モンスターからの攻撃

• オクタコーン：角の命中は、ハイメタルを無条件で破壊する。
• ジェントル・タッチ：長くて1分の間ハイメタルを使用不能にする。
• ドラゴンブレス・アシッド：通常の半分のダメージを与える。
• ドラゴンブレス・ファイア：通常のダメージを与える。
• ドラゴンブレス・アイス：ハイメタルには何らのダメージも与えない。
• ドラゴンブレス・ポイズン：ハイメタルには何らのダメージも与えない。
• ドラゴンブレス・その他：通常の効果。
• ナグパ：コラプションは50％の確率でハイメタルを破壊する。
• ラスト・モンスター：ハイメタルには何らのダメージも与えない。

破壊あるいは使用不能になった場合、リペアノーマル／マジカルオブジェクトでは直せずウィッシュが必要。

呪文と同様の効果をもつ特殊能力については、前表に従う。

フレームランチャーのみの補足

• アイス・ウォール：フレームランチャーはこの壁を一撃で破壊できる。
• アンチ・マジック・シェル：効果圏にいるものにはダメージを与えられない。
• イミュニティ：フレームランチャーのダメージすべてを無効化する。
• ウォーター・ブリージング：フレームランチャーに対して使用した場合、これを使用不能にする。
• シールド：効果圏にいるものには通常の半分のダメージ。
• タイムストップ：時間「停止」中、フレームランチャーの使用は不可能（唱えた本人も、被害者も）。
• タッチ・ディスペル：9レベルの魔法として判定する。失敗すると1〜6ターンの間使用不能になる。
• ディスプレイスメント：この効果のあるものには命中させるのが難しくなる。
• ディスペル・マジック：中位の魔術師による魔法と考える。ディスペルマジックと同様。
• パーマネンス：フレームランチャーを一時的に使用不能にする。この後ライト・コンティニュアルライト（あるいはウィッシュ）を唱えると、この封を除くことができる。
• 花の舞：効果圏にいるものには一切のダメージを与えられない。
• ファンネル：フレームランチャーで撃墜することは不可能だが、逆にファンネルの攻撃もフレームランチャーにはダメージを与えられない。
• フライ：足を固定させる関係上併用できない。
• プリズマティック・ウォール：赤、黄色、紫によって遮断される。
• ヘイスト：フレームランチャーによる攻撃は加速できない。
• ミラー・イメージ：炎はすべての分身を1体につき10秒程度で消し去る、本人へダメージを与えることはできない。
• レジスト・ファイア：効果を受けているものへの攻撃は、ファイアボールと同様に扱う。

イモータルによる攻撃

イモータルによってハイメタルの物品が攻撃されたとき、以下のようになる。

イモータルはハイメタルに対して、インヴィジブルやテレキネシスを通常どおり機能させることができる。イモータルは（彼らが望まない限り）ハイメタルによって作られた武器から一切ダメージを受けず、またハイメタルのアーマーはイモータルに対しては恩恵がない。。

重要事項

ハイメタルは主物質界でのみ上述のような効果を発揮し、その他の界では通常の鉄と同様の扱いとなる。